「心配性」とは起こってもいないことに過剰に不安を感じる性格・特徴のことです。
あなたの周りにあまり先のことは考えない楽天的な人はいませんか?心配性な人にとってそんな楽天的な性格はとても羨ましいものです。ここでは心配性な人の特徴・心理、その克服方法をご紹介します。
心配性をどうにかしたいあなたへ
「心配性」とはまだ起こってもいないことに対してびくびくしたり、不安になる人の性格・特徴のことです。心配性のせいでやりたいことができなかったり、日常生活に不便を感じることはありませんか? 心配性な人は先のことに対していつも不安を感じがちです。しなくてもいい心配事から解放されたらきっと毎日がもっと楽しくなるはずです。ここでは、心配性な人の性格・特徴・心理・克服方法を詳しく解説していきます。
心配性の意味とは?
「心配性」とは、まだ起こってもいない未来の出来事に対して過剰な不安を抱く性格や心理のことです。心配性な人の特徴は、常に「○○になったらどうしよう」と頭の中が不安でいっぱいで、ネガティブに物事を考えます。
「心配性」と「心配症」ってどう違うの?
「心配性」は漢字からわかるように、その人の「性格」・「性質」の一つです。性格は50%が遺伝で決まるという研究もあります。ですから、心配性は「もって生まれた性格」という面もあります。 「心配症」は不安で仕方がないという「症状」のことを意味します。「心配性」がいきすぎると「心配症」になります。日常生活に支障をきたすことも多くなり、心療内科を受診する必要のある人もいます。 例えば、「明日の会議のプレゼンが心配で眠れない」という人は「心配性」ですが、「プレゼンに失敗した時のために、言い訳を30通り考えておこう」といった人は完全に「心配症」です。
心配性な人の行動の特徴・あるある
心配性な人の行動には似たような特徴があります。 ここでは心配性な人の特徴を見てみましょう。「それあるある!」と思ったあなたは心配性かも?
嫌われるのが怖くて人に話しかけられない
心配性な人は「もしかして嫌われてるかも…」と根拠のない不安を他人に対して抱きがちです。友達からラインの返事が遅いだけで「何か悪いこと言ってしまったんじゃないだろうか…」と不安になります。 初対面の人と話すのもとても苦手です。「こんなことを言ったら変に思われるかも…」と考えすぎてしまい、何を話していいかわからなくなってしまいます。 その結果、「自分はコミュニケーション能力がない」と落ち込んでしまいます。
ちょっとしたことでパニックになる
心配性な人はちょっとしたことですぐにパニックになります。もともと心配性な人には、「予想外のことを避けようとする」という特徴があります。予測できないことが怖いのです。だからいつも心配をしています。 目覚ましをかけているのに早く起きてしまうことはありませんか?心配性な人は翌日に大事な予定があると心配で寝られなかったり、早く起き過ぎてしまったりという特徴があります。5分でも寝坊してしまったらパニックになります。
過去の失敗がすぐ頭をよぎる
過去の失敗をなかなか忘れられず引きずってしまうのが心配性な人の特徴です。「以前、企画書を却下されたからきっと今回もだめだろう」と過去の失敗に捕らわれすぎて行動できなくなってしまいます。 心配性な人の特徴として、失敗をバネにして行動することができません。「また同じことを繰り返してしまうかも、、」という恐怖に襲われます。また同じような思いをするぐらいなら何もしないほうがましだと考えてしまいます。
思い通りにならないとイライラする
心配性な人は頭の中で様々なことを予測しています。そのため予測が外れるとイライラします。思い通りにならないと不快になるのも心配性な人の特徴です。 7時にレストランを予約しているのに、待ち合わせた友人が10分前になっても来なかったら心配性な人はイライラします。「間に合わなかったらどうしよう!」と、大きな不安に襲われます。 他人の行動によって計画が予定どおりに進行しないとき、心配性な人はものすごくイライラします。
心配性な人の性格・心理
心配性な人の行動の特徴・あるあるをご紹介しました。次はその行動の元となっている、心配性な人の性格・心理について解説していきます。
完璧主義すぎる
心配性な人の性格に共通しているのは完璧主義なことです。失敗が怖い、ミスが許せない、といった完璧を求める心理が不安の引き金になっています。 心配性な人は「自分の行動が一貫しているだろうか」と心配します。完璧主義な人は物事が一貫していなければ気がすみません。 心配性な人がちょっとしたことですぐにパニックになるのも、「これでは完璧にできない!」という心理が働くためです。
過去にトラウマがある
過去に辛いことがあり、それがずっと乗り越えられずにいるのが心配性な人の行動の裏側にある心理です。また同じような辛い目にあわないように、先回って心配をすることで「危険回避」をしているのです。 こういった心理をもつ人はもともとは心配性な性格ではなかった人も多いです。 絶えずトラウマがよみがえってきてしまって、なかなか楽観的に物事を見るということができません。
他人の評価を気にする
心配性な人は他人や周囲の評価を気にしがちな性格です。「こんなこと言ったらどう思われるだろう」と他人からの評価を気にするあまり、先回って考えすぎてしまいます。 他人が何を考えているかなんて誰にもわかりません。だからこそ心配性な人は過剰に不安を抱えてしまいます。心配性な人にとって、「わからないもの」は恐怖でしかありません。 また心配性な人は、他人から良く思われたい、と考え過ぎる傾向があります。こういった心理が不安を加速させます。
自己肯定感が低い
心配性な人は自己肯定感が低い傾向があります。自分の行動に自信がもてないから、あれやこれやとたくさん心配事を抱えてしまいます。 心配性な人は、幼少期から親からあまり褒めてもらえなかったり、自分の言いたいことをずっと我慢していたという経験をしていることが多いです。 自己肯定感の高い性格の人は、「なにかトラブルが起きても自分は解決できる」と自分に自信をもっています。だから余計な心配に振り回されることはありません。 それとは反対に、心配性な人は「自分には解決能力がない」と思い込んでしまっているのです。
逆境に弱い
心配性な人は逆境に弱いという性格があります。起こってもいないことを過剰に心配するのは、不測の事態や困難な状況を避けるためです。 「危険回避の防衛本能」が心配性な人の心理の根底にあると言えるでしょう。心配性な人は過去に成功体験があまりないことが多いです。逆境に立ち向かう心の強さが育たないのも仕方がないかもしれません。
自分の限界を決めつける
心配性な人の心理として、自分の限界を極端に決めつけているということがあります。「自分には出来るわけがない」と何の根拠もなく決めつけてる人が多いです。 心配性な人は「今はまだ力不足だから、これから実力をつけていこう」という前向きな考え方をするのが苦手です。そして「自分には出来ない。失敗する。怒られる。どうしよう」という不安の負のスパイラルから抜け出せなくなります。
心配性になってしまう原因
ここまで心配性な人の行動の特徴・性格・心理についてお話ししてきました。ではこれらの原因は一体どこにあるのでしょうか。心配性の深層部に迫っていきましょう。
過去と未来にばかり目を向けている
これまで見てきたように、心配性な人は過去の失敗やトラウマに捕らわれて、前に進めなくなっていることが多いです。言い換えれば、いつまでも過去に捕らわれているということです。 また「失敗したらどうしよう」とか「あの人に嫌われたらどうしよう」といった不安は、すべて未来に対する不安です。 つまり、心配性な人は、過去か未来しか見ていません。現在を見ていないのです。 過去を変えることはできません。一方、未来は変えることができます。しかし、未来を変えるためには現在何が起こっているかをしっかり見つめなくてはなりません。しかし心配性な人は現在を見ようとしません。 結果、心配性な人は未来を良い方向に変えるための行動ができなくなり、不安ばかりがつのります。そしてネガティブな予測ばかりたててしまいます。
白黒思考
心配性な人の性格の一つである完璧主義の背景には白黒思考があります。 白黒思考とは、一つの物事を「正しい」か「悪い」か、の二極で判断してしまう思考のことです。「全か無か思考」とも言います。 一つ失敗すれば全て終わりだ、という極端な白黒思考が心配性な人の心理の根底にあります。だからこそ色々なことが心配になり、あれやこれやと考え込んでしまいます。
自分を信じていない
心配性な人が他人の評価を過剰に気にしたり、自己肯定感が低いのは、言い換えれば自分を信じていないということです。 自分の能力を信じていないから、不安が次から次へとわき起こってきます。自分で自分のことを信じてあげられる人は、他人の評価や起こってもいない出来事に振り回されません。
心配性な性格の長所と短所
ここまではネガティブなイメージの多い心配性ですが、もちろん長所もあります。長所と短所を見極めることが、心配性とうまく付き合っていく秘訣です。
心配性な人の長所
「そんなに心配しても仕方がない」と人から言われることもありますよね。ですが、心配性にももちろんポジティブな面があります。 ここでは心配性な人の長所を3つご紹介します。
予測能力が高い
心配性な人は未来を予測することにとても長けています。あらゆる不測の事態を予測することができ、この能力は会社で新しいプロジェクトを推し進める時などに重宝されます。 皆が皆、楽天的になってしまったら、実際にプロジェクトが失敗してしまった時に大変なことになります。失敗を的確に想定できる人物がビジネスにおいては必ず必要です。たいてい、企業のブレーンと言われる人は心配性な性格の持ち主です。
人から信頼されやすい
心配性な人は、遅刻をしたり、仕事を中途半端で終わらせたりすることがありません。ですから人から信頼されやすいです。基本的に真面目な性格の人は嫌われることがありません。 「嫌われたらどうしよう」という不安は取り越し苦労の場合がほとんどです。「失敗したらどうしよう」という不安も、それだけ真面目に取り組んでいるということですから、実は周りから評価されているのです。
実は友達が多い
「相手の気を悪くさせたらどうしよう」と不安になるあまり、心配性な人は言葉を選んでコミュニケーションをします。また、相手の顔色やその場の空気にも敏感です。 本人はそれで疲れているかもしれませんが、よく周りを見てください。実は結構、友達が多いのではありませんか?それはあなたが空気をよく読み、気配りのできる人だと思われているからです。 あなたはきっと心配するほど孤独ではないはずです。
心配性な人の短所
長所は裏を返せば短所になってしまいます。長所を上手く活かすためにも、短所をおさえておくことはとても重要です。 ここでは心配性な人の短所を3つご紹介します。
考えすぎて行動できない
心配性な人の一番の悪い癖です。予測をしてそれを上手く回避するように行動するのは良いのですが、考えすぎるあまり、何も行動ができなくなってしまうのはいけません。 行動をしないと、「自分は何も出来ない」という風に自己嫌悪に陥り、自己肯定感がさらに低くなってしまう恐れがあります。 不安をなくすためには行動しなくてはいけません。
すぐに他人を責めてしまう
他人の都合で自分の計画や予定が狂ってしまうと、すぐにパニックになってしまうのが心配性な人の特徴です。その際、他人をキツイ口調で責め立ててしまうことがあります。 自分にも都合があるように他人にも都合があります。そう思うだけで、少しは不安な気持ちが解消されるのではないでしょうか。
失敗を引きずりすぎる
なかなか乗り越えられない辛い経験は誰にでもあるものです。しかし、ほんのささいな失敗をいつまでも引きずってしまうのが、心配性な人の悪いところです。 失敗をずっと忘れずにいると、それがまた不安への引き金となります。終わったことは終わったこととしてスッパリ忘れてしまう習慣をつけることも大切です。
あなたは心配性?心配性度診断でチェック
ここではあなたが「心配性」かどうかを診断する10の項目を用意しました。 隠れ心配性さんのために、ぱっと見では心配性と関係がなさそうな心理項目もいくつか入っています。当てはまる数が多ければ多いほど、あなたは心配性の傾向ありです。さて、いくつ当てはまりますか?
- 人と話しをする前に、頭の中で会話のリハーサルをしますか?
- 「どうせ〇〇だから」と無意識によく言っていますか?
- アラームの時間より早起きしてしまうことがよくありますか?
- プレゼンなど大事な場面で大成功している自分をよく想像しますか?
- 会話相手の表情やジェスチャーに敏感ですか?
- やってみたら意外と簡単だったと思うことがよくありますか?
- チームプレーより一人の作業のほうが得意ですか?
- 時間をよく確認するほうですか?
- 知らない場所へ行く時はあらかじめその周辺情報を調べますか?
- 「人に頼むぐらいなら自分でやる」と思うほうですか?
心配性は直せる?心配性の克服方法
心配性な人の特徴・性格・心理について解説してきましたが、心配性って直せるんでしょうか。 性格を変えることは簡単ではありません。ある程度生まれつきの要素もあるからです。しかし、物事の捉え方を変えて、それによって行動を変えていくことはできます。 そもそも、人は心配するようにプログラミングされています。そうしないと危険をかえりみず、やみくもに進んでいって大けがをしてしまいます。ただ、なんでもかんでも心配していては疲れますよね。 心配性の克服のコツは、しなくてもいい心配をしないことです。ここでは心配性の克服方法を具体的にご紹介します。
過去と他人は変えられないと割り切る
どんなに努力しても決して変えられないものがこの世界には存在します。それは他人の心と過去です。 心配性な人は他人の評価と自分の過去に捕らわれています。しかしそれらは決して自分の力では変えられません。その代わりに変えられるものに目を向けてはいかがですか?変えられるものとは、自分と未来です。 人は「自分でコントロールできるもの」に対して安心感を覚えます。変えられるものに目を向ければ、自然と無駄な不安は消えていくはずです。
ネガティブの中にポジティブを見つける
心配性な人は、予定通りにいかないと「もうすべてダメだ」と思いがちです。心配性な人はいつも物事を真正面からしか見ないのです。少し角度を変えてみてみましょう。 例えば、電車に乗り遅れてしまったら、「もうダメだ」ではなく、「遅刻の言い訳のレパートリーを増やすチャンスだ!」と少し強引にポジティブシンキングしてみましょう。 思考というのは癖なので、ポジティブシンキングを習慣化すれば、自然と先回り不安も減っていきます。
失敗したら反省すればいいだけのこと
失敗は誰でもします。むしろ失敗は次へのステップへの大チャンスです。心配性な人は失敗を恐れるあまり身動きがとれなくなります。失敗しても反省すればいいだけのことだと割り切りましょう。 失敗を避けていては成長できません。
「出来ること」と「出来ないこと」を明確に
心配事が頭をよぎったら、それが自分にとって「出来ること」か「出来ないこと」かをはっきりさせましょう。出来ないことを悩んでいてもどうしようもありません。 もしそれが「出来ること」なら、出来るのになぜ不安になるのか具体的に考えてその原因を払拭しましょう。 心配性な人は何でも一人で抱え込もうとする癖があります。「出来ること」か「出来ないこと」の境界性をはっきりさせるだけで不安はぐんと軽減します。
心配性は悪いことではない
心配性の特徴・性格・心理について解説をしてきました。「自分はどうしてこんなに心配ばかりしてしまうんだろう」と悩んでいる人は少なくないはずです。 心配性は決して悪い性格ではありません。ただ心配性な人はそうでない人に比べてちょっとしんどいだけなんです。 だから性格を直すというより、もう少し楽にいられる方法に目を向けてみましょう。いらない不安を少しずつ減らしていくために、ぜひ今回ご紹介した心配性克服方法を試してみて下さい。
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