「エニアグラム」とは、自分本来の性格や行動パターンを9つに分類する考え方です。
タイプ9の人は「平和や調和を求める人」です。あなたの周りに心当たりはありませんか?この記事では、エニアグラムタイプ9の人の、性格や職業の適性、恋愛傾向など、詳しく掘り下げていきます。
エニアグラムタイプ9の人は平和主義者!
エニアグラムタイプ9の人は、平和主義者と言われています。自分自身の心の平穏が何よりも大切です。他人からせかされることや、ピリピリした雰囲気が苦手で、人々が対立する場面では、公平な立場で間に入り、その場を和らげようとします。 また、人の内面を深く理解し自然に調和できるので、タイプ1~8のすべての長所を持っていると言われます。それはどういうことなのでしょうか?この後の項目で、エニアグラムタイプ9の性格や職業の適性・恋愛傾向など詳しくご紹介します。
エニアグラムタイプ9の基本的な性格の特徴は?長所や短所も!
まずは、エニアグラムタイプ9の性格の特徴を見ていきましょう。対立や争いを好まない平和主義者のタイプ9は、どのような性格を持った人なのでしょうか。性格の特徴、長所・短所をそれぞれ詳しく解説します。
タイプ9の性格の特徴
エニアグラムタイプ9の、性格の特徴を見ていきましょう。場合によっては別のタイプの人と調和していて、違うタイプに見える場合もあるようです。あなたの周りにも気づかないうちにタイプ9の人がいるかもしれません。
穏やか
エニアグラムタイプ9の大きな特徴は、穏やかな性格です。タイプ9の人が望むのは、心が平穏で居られる世界です。ピリピリとした緊張感や争いを嫌い、自分のいる場で争いが起こると、自分に関係がなくても心の平穏が乱されて落ち着かなくなります。 自分のいる場所では、みんなが和気あいあいとして場を楽しんでいることを望みます。美味しいもの・気持ちの良い睡眠・好きな人やものと一緒に過ごせるという、ささやかな幸せの中で暮らしたいと考えるのが、タイプ9の人です。
マイペース
マイペースであることもエニアグラムタイプ9の特徴です。物事をテキパキと進めたり、急な予定変更をさせられることは大変なストレスになります。また忙しく時間に追われる状態も嫌います。 平和主義者のタイプ9は、日ごろ周りに同調していることが多いため、自分自身に戻れる、快適な時間をしっかりと確保することが必要です。その大切な時間を何かに奪われそうになると、激しく怒りを表すこともあります。
面倒くさがり屋
平和主義者というイメージとは少し離れたところにある、タイプ9の特徴として、面倒くさがりであることも挙げられます。後にも詳しく述べますが、優柔不断な部分があり、今やる必要が無ければ、やらずに置いてしまう性格でもあります。 今やる必要が無い、つまり、本気を出せばしっかりできるのに、本気を出す必要が無ければ、力を出し切ろうとはしません。周りの様子を見ながら、自分が本気を出し過ぎて波風を立てたりしないように抑えていることがあります。
楽観的である
エニアグラムタイプ9の人は、「何とかなる」と考える楽観的な思考の人が多いのが特徴です。それは「心の平穏を乱されたくないから」という理由が一番にあります。「問題点を追求したりリスクを考えたりしたくない」という心理から来ています。 前向きな考え方なのは良いことですが、物事を楽観視しすぎて、後になって面倒に巻き込まれる場合もあり、一長一短の特徴だと言えます。面倒くさいことになりそうなときは、問題を無かったことにしたり、現実逃避に走ることもあります。
頼まれると断れない
エニアグラムタイプ9の人は、頼まれると断れない性格です。その心理的背景は2つです。自分に頼む理由や背景を察してしまう、断ることで関係に波風が立つことを避けたい、という理由から「No」が言えません。 なんでも引き受けてしまう優しさがある反面、面倒くさがり屋なのがタイプ9の特徴です。引き受けたことになかなか手を付けず、ぎりぎりでやっつけ仕事になったり、遅れて周りに迷惑をかけてしまうことがあります。無理だと思ったら「No」を言う勇気も必要だと言えます。
つながりが大好き
エニアグラムタイプ9に見られる特徴の、根本とも言える部分が「つながりが大好き」ということです。タイプ9は、人だけではなく、自然や宇宙といったものにもつながりを求めています。つながりを確認できる地図や路線図を眺めるのが好きという特徴もあります。 人とのつながりが切れることを恐れるあまり、自分の才能や意見を抑えて周りに合わせます。人とのつながりを大切にするため、他人の内面に関心が向き、自然とその人に合わせて振る舞うのです。平和主義者である理由は、つながりを大切にしたいからに他なりません。
タイプ9の長所
エニアグラムタイプ9は、あらゆるものとのつながりが何よりも大切です。つながりを大切にするからこそ、性格にその特徴が表れていることが、ここまでで分かりました。それでは、タイプ9の長所はどんな点が挙げられるのでしょうか?大きく6つに分けてご紹介します。
協調性がある
エニアグラムタイプ9の最大の長所が、協調性です。他人が表に出さない内面を感じ取ることができるため、その場の空気に自分の反応を合わせます。例えば、皆が盛り上がっている明るい場面なら明るく、落ち着いた場面ならば静かにたたずむというように、ごく自然にその場の空気に同調します。 タイプ9の人は、タイプ1~8のどのタイプの内面も感じ取って、それに同調することができてしまいます。これまでの内容で「タイプ9はどのタイプの長所も持ち得る」と触れてきたのは、このような理由からです。
人の気持ちを理解できる
エニアグラムタイプ9の人は、偏見を持たずに人の話を聴きます。様々な人を肯定的に受け入れて、相手に共感します。一般的にはあまり受け入れられないことも、「その人はなぜこのようなことをするのか」に着目し、頭ごなしに否定はしません。 さらには、人の内面まで感じ取る能力に優れているので、相手の表には出さない感情まで、敏感に感じ取ります。そのためさりげない働きかけで、相手の気持ちを楽にすることができるのです。
人に安心感を与える
エニアグラムタイプ9の人は、一緒にいる人たちに安心感を与えます。相手の話を肯定的に聴くことができ、いつも自然体で穏やかなので、周りの人がホッと落ち着けるのです。 タイプ9の人は、相手の内面を感じ取る能力に長けています。つまり、相手の不安やピリピリとした緊張感をも感じ取ってしまいます。タイプ9は、その場を穏やかにしたいというのが一番の望みです。そのため、人の緊張を解いて安心させる術が身についたという考え方もあります。
公平に物事を判断する
エニアグラムタイプ9は、「平和主義者」という表現のほか、「調停役」という言葉でも表されます。それは対立などの緊張がある場合に発揮されます。人の内面を感じ取って理解をし、問題を公平な目で整理して、解決に導く能力はタイプ9の長所です。 タイプ9は、何よりも心の平穏を求めています。そのため、周りの人たちにもピリピリしないで居てほしいと、調停役を引き受けるのです。他の人達には難しいと感じる役回りでも、自分で引き受けて全体を平穏な状態にしようとします。
忍耐強い
エニアグラムタイプ9は、忍耐強いことも長所の1つです。嫌なこともすぐには投げ出さず、まずはしばらく取り組んでみます。苦手な人とのかかわりも、まずは逃げずに向き合います。物事を何とか良い方向に進められるようにするのがタイプ9です。 タイプ9が忍耐強いのは「平穏で居たい」という心理から来ています。嫌なことをすぐに辞めたり、相手に感情をあらわにすることは、その後の自分の環境に大きな変化をもたらすリスクになり得ます。そのリスクを避けるためにとりあえず耐えるのがタイプ9のやり方です。
努力家である
エニアグラムタイプ9は、努力家です。変化が苦手なのでなかなか動き始めませんが、一度始めると、自分が納得いくまでやり続けます。長い時間のスパンで物事を考えているので、進行や発展は遅いかもしれません。 タイプ9の人は平穏を好み、マイペースなので、他人から見ると「怠けている」と思われがちですが、頭の中ではいろいろと考えています。地道に努力を続け、後になって大きな結果を出せるのがタイプ9の人です。
タイプ9の短所
それでは、エニアグラムタイプ9の短所はどのような部分なのでしょうか。平和主義者・変化を嫌うタイプ9ならではの、特徴がよく出ているとも思える短所について、詳しく見ていきます。
優柔不断
エニアグラムタイプ9は、優柔不断になりがちです。決断をすることは、つまり自分の意見を表明することであり、身の周りの環境が変わる可能性があります。その変化を無意識に避けるために、決断を後回しにしようとします。 決断を急かされると答えが出なくなってしまいますが、一度何かを決めた後は、何を言われても決断を変えようとしません。日常生活においても、大切なことは後回しで、どうでもよいことを先に始めたりしますが、期限が迫ると一気に仕上げるタイプです。
事なかれ主義
平穏を愛するエニアグラムタイプ9は、「事なかれ主義」と捉えられる一面もあります。変化や刺激を嫌い、波風を立てたくないので、表面的に周りの意見に合わせることが多々あります。自分の意見に責任を持つのが苦手なのです。 表面的には周りの意見を受け入れていても、本心とは違う場合は、口を閉ざしたり、決まったことに対して何も取り組まなかったりと、問題から目を背けます。その結果、周りに迷惑をかけることもあり、何を考えているか分かりにくいのがタイプ9の難点です。
自己表現が苦手
エニアグラムタイプ9は、自己表現が苦手です。それは、会議などの場面でも飲食店を選ぶシーンでも同様です。これは自己評価の低さから来ています。「自分は大したことない」という価値観が根底にあり、自分の意見で場の雰囲気を壊したくないと考える癖があります。 しかし、実は創造力や情熱があり、アイデアもいろいろと浮かんでいます。それを自分の内面に押し込んで、他人に合わせたり、今までのやり方に固執して意固地になることがあります。まずは自分が無価値ではないことに気づき、意見を言うことに慣れていきましょう。
現状維持
エニアグラムタイプ9は、現状維持を好みます。変化や刺激が苦手で、心の平穏を第一に求めるためです。今がつらい状況にあっても、変化を起こすことにリスクを感じて、新たなやり方に踏み切れず、変わらない日々を淡々と過ごしている場合があります。 これは自己評価の低さが影響しています。「自分は成長するにふさわしい人間ではない」と勝手に自分を閉じ込め、なかなか現状を変えられません。一歩新しいことに踏み出せば、その環境に適応できる能力は高いので、いかに自分を鼓舞するかによって人生が変わる可能性はあります。
受け身な姿勢
エニアグラムタイプ9の人は、基本的に受け身な性格です。自己表現が苦手なため、自分から何かの行動を起こすタイプではありません。行動の動機が「人とのつながりが切れないように」ということが多く、他人軸で動いている部分があります。 また、自分の感情を無いことにして無感覚になったり、自分の感情を周りのせいにするところがあります。これは幼少期に自分の主張が通らなかったのがきっかけで、無力感が強いことも原因の一つです。自分のために時間や気持ちを使えるよう意識してみましょう。
達成意欲が低い
エニアグラムタイプ9の人は、達成意欲が低いと言われています。それは、これまでに紹介してきたように、自分の価値を大変低く見ているためです。無価値感から、自分の望みにフタをしてしまい、自分が本当にやりたいことに気づいていない場合があります。 何かをやりたい気持ちはあっても、周りに迷惑をかけることを避けるため、なかなか新しいことに取り組めません。自分を変えるには、周りの達成意欲の高い人にアドバイスを求めると良いでしょう。
エニアグラムタイプ9の恋愛観は?
ここまで、エニアグラムタイプ9の性格の特徴について詳しく見てきました。独特なイメージのタイプ9ですが、恋愛についてはどのような価値観を持っているのでしょうか?恋愛の傾向、結婚後の価値観や、タイプ9が注意すべき点について見ていきます。
タイプ9の恋愛の傾向は?
タイプ9の恋愛傾向はどのような特徴があるでしょうか?これまでに紹介してきた性格の特徴を踏まえつつ、好きな人ができたとき、恋愛関係になった後、結婚後、と段階的に考えてみましょう。
好きな人ができたときは?
エニアグラムタイプ9の人は、基本的に受け身の性格です。自然と、感情表現が豊かな人や、押しの強い人に惹かれやすい傾向にあります。 タイプ9の人は男性も女性も、好きな人ができた場合、自己評価の低さからなかなかアプローチに踏み切れません。しかし、行動までに時間はかかっても、一度決めたらやり遂げるタイプなので、結果的には自分からアプローチをして、恋愛関係につなげようとします。 タイプ9の人は、どんな人も肯定的に受け入れます。相手の肩書には関心がなく、どのようなものが好きなのか、何を喜ぶのかという、より本質に近い部分に興味を持ちます。タイプ9の人に好かれた人は、本質を知ろうとしてくれるその態度に、魅力を感じるかもしれません。
恋愛関係になった後は?
エニアグラムタイプ9の人は、恋愛関係において、一緒に美味しいご飯を食べたり、部屋で一緒に過ごすなど、ささやかなことに幸せを感じます。マイペースな性格なので、インドア派とアウトドア派など遊びのスタイルが違うと、相性としては難しいかもしれません。 恋愛相手の内面を感じ取り、それに同調するタイプ9の人に、恋人は大きな安心感を感じて癒されてしまいます。備え持っている大らかさや、相手を尊重する考え方は、大人の付き合いとして、とても心地よく居られることでしょう。
結婚後は?
つながりを何よりも大切にする、エニアグラムタイプ9の人は、結婚相手と一体化したいという欲求が根底にあります。相手の雰囲気に同調してしまうため、相手に違和感を抱かせることもほとんどありません。 いつも穏やかな雰囲気なので、タイプ9の人と一緒に過ごしていると自然と気持ちが安らぎます。つらい気持ちを抱えて家に帰っても、穏やかなタイプ9にゆったりと癒されるでしょう。
タイプ9の恋愛における注意点は?
それでは、タイプ9の恋愛における注意点はどのようなところにあるのでしょうか?タイプ9ならではの長所が、恋愛においては注意すべきポイントになるものがあります。詳しく見てみましょう。
何でも受け入れてしまう
タイプ9は、相手の内面を感じ取り、自然と同調することができます。どんな相手も肯定して受け入れるタイプです。相手に優しく寄り添えるのは素晴らしいところですが、相手にリードしてもらいたいと考えている人にとっては、物足りなさを感じてしまうかもしれません。 タイプ9の人が恋愛関係を長続きさせたいと思うならば、不満があれば言う、断りたいところは断るなど、自分の本音を伝えるようにしましょう。
誰にでも優しすぎる
タイプ9はこれまでにも紹介した通り、人の気持ちをよく理解し、相手に安心感を与える性格です。そして、なかなか自分の意見を表すことができず、優柔不断な面もあります。 そのため、同時に様々な人に優しく接している結果、知らないうちに相手に期待を持たせていることがあります。タイプ9はいたって自然に、相手を気遣って接しているだけなので、罪の意識は全くありません。心当たりのある人は、期待を持たせないよう、注意した方がよいでしょう。
気持ちが離れても意思表示できない
タイプ9の性格として、変化を嫌うところや優柔不断であるところが、相手を傷つけてしまう可能性があります。それは、恋愛相手への気持ちが薄れてしまった時です。 タイプ9は、自分の気持ちの変化に気づかなかったり、気持ちの変化に気づいても、変化を恐れて別れを切り出せない場合があります。態度の変化を感じた相手は心を痛めているかもしれません。自分の気持ちに気づいたら、早めに意思表示をするほうが良いでしょう。
エニアグラムタイプ9の仕事関係は?
次に、タイプ9の仕事関係についてご紹介します。これまでに見てきた性格・長所・短所から、タイプ9の仕事の得意・不得意の特徴について見ていきましょう。その上で、タイプ9の適職と言える職業をいろいろと挙げていきます。
タイプ9の仕事の特徴
どんなエニアグラムタイプにも自然に同調できてしまうタイプ9とはいえ、得意・不得意、受け入れられないことは様々にあります。どのような仕事なら、タイプ9の特性を発揮できるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
得意とする仕事の特徴
エニアグラムタイプ9の人が得意とするのは、人の心を気遣うことが必要な仕事や、その場の環境を快適にする役割の仕事、変化や刺激の少ないルーティンワークが重要視される仕事です。タイプ9の仕事への取り組み方は、真面目で辛抱強い印象を与えます。 自己表現が苦手なため、自分が主体性を持って動かさなければならない仕事はあまり好みません。周囲の意思をくみながらコツコツと仕事を進めていくことや、自分のペースを守って業務を進めていくことを得意としています。
モチベーションが上がる仕事・職場環境
タイプ9がモチベーションを上げるのは、人に褒められた時です。人に認めてもらえるということは、その職場での自分とのつながりを感じられるため、とても安心できるのです。職場に気の合う人がいること、職場の雰囲気が和やかであることが、タイプ9の人にはとても大切です。 平穏を何よりも求めるので、指示系統や仕事内容がハッキリして安定的で、自分のペースで仕事ができる環境であれば、生産性高く仕事に取り組むことができます。自分自身も、職場環境を快適にするため、人の良い面を発揮させるためには積極的に活動しようとします。
モチベーションが上がらない仕事・職場環境
タイプ9のモチベーションが上がらない、苦手な職場環境と言えば、職場の雰囲気がピリピリと緊張していたり、人と人との繋がりがない場所です。また業務のスピードを求められたり、細かいところまで指摘をして怒る人が居ると、萎縮して思うように仕事の成果が出せません。 仕事の内容として苦手なものは、主体性が重要な職業や、自分の決断や行動に責任がかかる業務と言えます。例えば、研究者や弁護士、経営者や起業家という種類の仕事です。ノルマや締め切りなどが多く、自分のペースで作業が進められない仕事もストレスが溜まります。
タイプ9の適職
以上の内容から、タイプ9に適した職業を具体的に紹介します。人の心を気遣う仕事としては、カウンセラー・ホテル従業員などが挙げられます。介護士・看護師・マッサージ師・歯科医師・ケアマネージャー・栄養士など、医療や福祉関係の職業には、幅広い適性があります。 人を思いやることができ、変化の少ない仕事としては、教師やコーチ・公務員、警察官・消防官・自衛官なども向いていると言えます。また、総務・人事や営業・接客サービスなどの職種も、協調性が高く、職場環境を快適にしたい人に向いています。 人とのつながりを感じられ、自分のペースをある程度保てる仕事や、様々な人の調整役に入るような仕事が、タイプ9には向いていると言えます。
エニアグラムタイプ9のストレス時と安定・成長時のタイプ変化は?
性格や志向を分類するエニアグラムですが、同じタイプ9の人でも、ストレスを受けた時と、安定し成長している時、それぞれに別のタイプになると考えられています。穏やかで平和主義のタイプ9の人は、ストレス時・安定成長時にはどのタイプになるのかを見ていきます。
ストレス時のタイプ変化は?→タイプ6
タイプ9の人がストレスを溜め込んだ場合、タイプ6に移行する傾向にあります。タイプ6は「忠実な人・安定を求めて行動する人」です。周りから求められていることに着実に応えます。タイプ6の短所は、失敗に弱く劣等感が強いこと、他者に依存しがちなことです。 ストレスが溜まると、問題に向き合わずに無気力になります。周囲と表面的に合わせ、自分の不満は表に出さずに黙って抵抗します。心の平和を乱されることは、物理的に攻撃されるのと同等の苦痛と感じます。そのため、自制できないような精一杯の抵抗をすることもあるのです。
安定・成長時のタイプ変化は?→タイプ3
心が安定している時・成長に向かうときは、タイプ3に転じる傾向にあります。タイプ3は「達成する人」です。タイプ3は、成果や専門性をアピールして、人からの評価を最も大切にし、評価を得るためならば精一杯動きます。 普段は控えめなタイプ9も、このときは自分を表現したい意欲に駆られ、自己アピールをしたり、自分の目標や、前向きなビジョンを語りだすようになります。穏やかながら、積極的で明るい印象になり、周りの人たちもタイプ9についていくようになります。
エニアグラムタイプ9のウイングは?
エニアグラムにおける「ウイング」とは、サブタイプのことを言います。ウイング(翼)という言葉の通り、タイプ9の場合は、両隣のタイプ8(挑戦者)とタイプ1(改革者)がウイングになります。タイプ8またはタイプ1の性格の要素を持ったタイプ9は、どのような人なのかを見ていきます。
タイプ8をウイングに持つタイプ9
タイプ8は、「挑戦する人」です。典型的なリーダータイプで、自己主張もはっきりしていて、タイプ9とは大きく違う面があります。このようなタイプ8をウイングに持つタイプ9は「調停者」と言われます。 タイプ8のように、納得できない意見に反論したり、リーダータイプに転じることはありません。納得できなくても、表面的に合わせてある程度受け流していますが、我慢しきれないときは、しっかりと意見を伝えて問題解決しようとするのがこのタイプです。
タイプ1をウイングに持つタイプ9
タイプ1は「改革者」です。高い理想を持ち、それに向かって真っすぐに努力をします。時間もしっかりと管理している点がタイプ9の人との違いです。タイプ1をウイングに持つタイプ9は「夢見る人」と言われます。 「夢見る人」は、高い理想・遠い目標に気持ちを向けています。心の中で理想や平穏を求めていますが、タイプ1の現実的に行動する要素があり、その努力は怠りません。理想を言葉で表現するのが苦手なので、ダンスやスポーツ・音楽などの非言語の活動で表現しようとします。
エニアグラムタイプ9の相性のいいタイプは?
最後に、エニアグラムタイプ9と相性のいいタイプを見ていきましょう。どんなタイプにも同調できるタイプ9とはいえ、居心地の良いタイプと悪いタイプはあるものです。一緒にいて心地の良いタイプ、お互い高め合えるタイプはどのタイプでしょうか?
相性のいいタイプその1:タイプ1
「改革者」であるタイプ1は、タイプ9と相性が良いタイプです。高い理想を持って、完璧に物事を進めたいタイプ1と、相手と強調して平和を求めるタイプ9は、お互いに無いところを補い合う相性と言えます。 完璧主義で難しいところのあるタイプ1でも、平和主義で円滑なコミュニケーションを目指すタイプ9なら、物事を丸く収めることができるのです。
相性のいいタイプその2:タイプ3
「達成する人」タイプ3も、タイプ9にとって相性の良い相手です。タイプ9が安定しているときは、タイプ3に近い性格になることは先に述べましたが、それが相性の良い理由として考えられます。 達成意欲にあふれ、前向きにチャレンジするタイプ3は、周りが見えなくなってしまうことがあります。そんなタイプ3をよく理解し、周りとの調和を考えて立ち回ることのできるタイプ9は、タイプ3にとって居心地の良い相手と言えます。
「平和主義者」タイプ9の魅力を活かしましょう!
エニアグラムタイプ9の、性格・恋愛傾向・仕事・ストレス時・安定時…と、その特徴を詳しく見てきました。いかがでしたか?
自身がタイプ9だと気づいた人にとっては、理解しにくい自分の性格がだいぶ分かってきたのではないでしょうか?「自分は大したことない」と思っていた人も、幼少期のトラウマでそう思っていただけで、大きな才能や魅力があるかもしれません。
身近にタイプ9が居ると分かった人は、その人の特徴を受け入れていきましょう。あなたのことも、タイプ9はきっと理解してくれています。お互いに理解を深められたら、タイプ9の求める「平和」により近づけるのではないでしょうか。
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