固執する人の性格
性格① 固執する人の性格は、勝気
物事に固執する人は、何事も勝負の世界だと考えています。勝負の世界では勝つ人と負ける人が現れます。固執する人は、どうしてもこの勝負に勝ちたいと考えているのです。
勝負の世界と決めたのは、紛れもなく固執する人、本人です。周りの誰かから勝負をしかけられたというわけではなく、固執する当本人がその人の周りにあるものをライバル視しています。
いつも勝負の世界に身をおいて物事を考えているため、簡単に自分の意見を曲げてしまうことは負けに繋がると考えてしまいます。なかなか自分の主張を譲ることはできません。
性格② 固執する人の性格は、根が真面目
物事に固執する人は、非常に真面目な性格です。一度決めたことは最後までやり通したい、やり通さないといけないという強い信念を持っています。
真面目な人ほど一つの物事にこだわりがちで、あまり融通が利きません。一度決めた意見や主張を譲る際には、それ相応の判断基準が必要なので、簡単に他の意見に流されることがないのです。
真面目だからこそ物事に固執しているように見られてしまい、周囲の人も次第に意見しづらくなります。真面目であることと物事に固執しやすいことを自覚しているならば、意識的に周囲の人の意見に耳を傾ける必要があるでしょう。
性格③ 固執する人の性格は、優先順位がある
固執する人は、人生における優先順位を決めている場合があります。何が自分にとって大切なのか、重要度が低いのはどれか、ある程度の判断軸が出来上がっています。
したがって、何か物事を決める際には、自分の中の優先順位に基づいて判断をしていきます。この優先順位は、今までの人生で時間をかけて定まっていった確固とした信念です。それに基づいた意思決定は本人にとって重要なので、容易く曲げられることを嫌がります。
本来コミュニケーションにおいては相手の価値観を認めて、互いに意見を尊重することができれば良いのですが、あまりにも固執する人は自分の中で膨らんだ優先順位が大きすぎて、丁度良い折り合いがつけられないのでしょう。
性格④ 固執する人の性格は、心配性
いつも心のどこかに心配事を抱えている場合、心の拠り所を必要とします。拠り所を失うと、自分が自分らしく居られないと感じてしまいます。
物事に固執する人は、心配症な人が多いです。一見自信過剰で何も迷いがない人のように見えますが、実際は心の中に大きな不安を抱えています。だからこそ柱となる自分の意見を相手に譲ることができません。心の拠り所を失うことが怖いと感じているのです。
何かに極端にこだわっている人を見かけたら、きっと何か心配な気持ちを抱えているのだと思って、温かい目で接してあげましょう。
性格⑤ 固執する人の性格は、自信がある
前述した内容とまるで反対のようですが、物事に固執する人は自信がある人だとも言えます。
その自信の根拠は、不安を抱えながらたどり着いて見つけた、自分の大事な価値観です。心配な気持ちを和らげるためには、はっきりとした判断基準が必要で、それは揺るぎない安心感をもたらしてくれます。
間違いなく安心感をもたらしてくれる価値観は手放したくありません。そのため考え方が極端になり、人の考え方を受容することができず、自分の考え方から離れることができません。
固執する人は、心配性の性格が派生した結果、自信のある考え方を持っていると言えます。
固執する理由とは?
理由① 固執する理由は、失いたくないから
どうして一つの物事に執着してしまうのか、その理由は大事なものを失いたくないからです。
固執する人はこだわるその物事や価値観が非常に大切だと考えていて、それを否定されたり失うことは、自分自身を否定されたり失うことと同じだと感じています。
ある物事に深く固執することは、同時に自分自身のことを非常に大事に思っていることを意味しています。
理由② 固執する理由は、貫くことが正しいと思っているから
固執する人はその真面目さゆえに、決めたことは最後まで貫くことが正しいと思っています。
途中で投げ出したり、考え方を180度変更することはありえない、という考え方の持ち主です。それはもともとの本人の性格でもありますが、生まれ育った環境からそのような考え方に至った場合もあります。
いずれにしても、途中で進路変更することは決していけないことではなく、臨機応変に対応した方が物事がスムーズに進む場合もあります。正義の価値観は人それぞれですが、固執する人は貫くことが正義だと真剣に考えているのです。
理由③ 固執する理由は、熟考した上の考えだから
頭が痛くなるくらい熟考に熟考を重ねて出した答えは、重みのある意見だと思います。しかしどれくらい一生懸命考えたかは、悲しいことに傍から見てもわかりません。
物事に固執する人の多くは、考えすぎるくらい物事を一生懸命考えています。そのため、自分の出した答えがないがしろにされてしまうことを極端に嫌がります。熟考した長い時間と強い思いは、本人にとっては簡単に手放せないものなのです。
理由④ 固執する理由は、他人を信じられないから
他人の意見や主張を受け入れるということは、自分以外の存在を認めるということです。自分と異なる価値観があることを認め、それを頭でも心でも理解して消化できてこそ、他人との価値観の交換が生まれて交流することができます。
しかし固執する人は、他人の存在を心の底から受け入れることが苦手です。他人の言動を信じることができないからです。
もしかしたら、固執する人は自分自身に対してもどこか嘘をついているのかもしれません。本音に正直に生きていないから、自分を信じることができず、そのことが他人を信じることができないという様子に表れています。
理由⑤ 固執する理由は、他に興味がないから
常に多くの物事に関心を持ち、広くアンテナを張っている人は、自分の考え方と異なるものに出会えたときに喜びを感じます。
しかし固執する人の多くは、幅広い物事に興味関心を示しません。ある特定の範囲について深く掘り下げる傾向にあります。
前者を「広く浅く」のタイプだとすると、固執する人は「狭く深く」のタイプと言えるでしょう。どちらが良い悪いというわけではありませんが、固執する理由はそれ以外に興味を持つような特別な感情を抱けないからと言えるでしょう。
固執することが招く悪影響
① 固執することが招く悪影響は、信頼関係が崩れる
あまりに頑固で自分の意見ばかりを押し通そうとすると、相手との信頼関係が崩れてしまいます。お互いに意見の相違があることは自然なことです。その違いを話し、理解することを通して信頼関係は築かれていきます。
一方的な押しつけは相手の自尊心を傷つけます。どれほど自信があって的確な意見だったとしても、不快な気持ちにさせるようではいけません。
信頼関係は築くのには時間がかかりますが、失うのは一瞬です。一度壊れた関係性は、修復するには相当の時間がかかります。一時の固執する感情によって、大切な相手を失わないように気をつけましょう。
② 固執することが招く悪影響は、他の良案を見逃す
物事にこだわればこだわるほど、周囲の状況が見えにくくなります。間口は非常に狭く、考え方も縮こまっていきます。
固執することが続くと、本当はすぐ近くに転がっている他の良案を見逃すことになります。困っている問題があれば、本来ならもっと簡単に解決の糸口が見つかるはずなのに、ついつい難しい解決方法を繰り返したどってしまいます。気分も悪いままでとても非効率です。
なかなか状況が好転しないと感じたら、固執することを手放してみましょう。
③ 固執することが招く悪影響は、スピードが遅くなる
フットワークの軽い人は、次々と考え方を変化させて、時代や状況に合わせて臨機応変に行動することができます。
一方固執する人は、自分の考え方にとらわれてばかりで、新しい考えを吸収することも生み出すこともできません。その結果いつまでも同じ場所に居続けることになります。
時代の流れがますます加速する現代社会では、スピード感がないことは非常に痛手となります。時代遅れにならないように、柔軟な考え方を意識していきたいところです。
④ 固執することが招く悪影響は、変化の対応ができない
時代が変わるスピードについていけないとなると、自分の立ち位置がわからなくなります。いつまでも昔のままで、従来通りの方法しか考えることができなくなります。
新しい方法を知らないからこそ、今持っている自分の考え方にこだわることしか手段がなく、ますます古い考えの持ち主になってしまいます。
固執することで変化に対応できない人になっていき、仕事上でも身近な人間関係においても取り残されることになるでしょう。
⑤ 固執することが招く悪影響は、人が離れる
人は自分と同じような考えをしている人の元に集まりやすいです。気が合い、会話していて楽しいと感じるからです。
しかしいつまでも自分の考えに固執する人は、他人の意見や主張を受け入れる余裕がないので、自然と他人と距離を置くようになります。その姿を見ると、周囲の人はますます近づきたいとは思わなくなります。
固執することは人間関係において悪循環を生みやすいです。人が離れては感情の共有や新しい価値観を吸収することはできません。固執はほどほどにしておきましょう。
固執することは悪いことばかりではない
固執する人に対しては、頑固で、融通が利かず、人の意見に耳を貸さないなどの、マイナスのイメージがつきまといます。そのため、固執するような人とはあまり付き合いたくないと思う人が多いです。
しかし、固執することは悪いことばかりではありません。見方を変えれば固執する人が持つ自信と決断力は、優柔不断な人からみれば頼もしく映ります。
決断をすべき時はしなければいけませんし、意見をコロコロ簡単に変えないほうが上手くいく場合も大いにあるのです。仕事上でも人間関係においても、固執すること=芯の強さを発揮することによって状況がよくなることがあります。
覚えておきたいのは、こだわりを発揮するタイミングをわきまえることです。固執すること自体は良いわけでも、悪いわけでもありません。適時適切な場所で、相手との関係性をふまえて、物事に固執することの良い面を発揮できればいいのではないでしょうか。
固執することをやめる方法
方法① 固執することをやめるには、人の意見に耳を貸す
他人に歩み寄ろうとせず自分の意見を貫き通すタイプの人が、急に人の意見に耳を貸すように変わるのは最初は難しいかもしれません。しかし、意識次第で固執をやめることは可能です。
まずは自分が固執するタイプの人間だということを認識することが大切です。その上で、万が一他人との会話中に自分の中の譲れないフツフツとした強い思いを感じたら、その心の声にはそっと蓋をしておきましょう。
その代わりに、相手の言っていることに対して注意深く耳を傾けます。相手が何を言おうとしているかは、実はじっくり聞いてみてはじめて分かることが多いのです。自分の心の声より、相手の言葉を意識してみてください。
方法② 固執することをやめるには、一旦手放してみる
今まで絶対的に正しいと考えていたことや、会話相手となかなか折り合いがつけられなくて困った物事はありませんでしたか。もしいくつか思い当たる節があるようでしたら、自分らしさとも言えるその考え方を、一旦手放してみましょう。
こだわりを失うと自分らしさがなくなるように感じて怖い気持ちになりますが、実はその恐怖は一時のものです。少し慣れると心の中に余裕ができて、相手のことをもう少し考えられるようになります。
従来の方法を捨てて物事の考え方を意図的に手放すことは、固執することをやめるために必要な練習となります。
方法③ 固執することをやめるには、心配しない
心配する気持ちは心のどこから湧いてくるのでしょうか。不安にかられてどうしようもない気持ちだからこそ、一つの何かにこだわってしまうのが固執する人の心理です。
本当はそんなに心配しなくても生きていけます。なぜかというと、今まで生きてこれたのですから。もちろん様々な心配事に思いを巡らしたから回避できた危険性もあったとは思います。
しかしこれから固執することをやめたいと考えるなら、必要以上に心配することをやめましょう。もし不安な気持ちにかられたら、「大丈夫、大丈夫。」と2回ほど唱えください。言葉に出すと、次第に気持ちが安らいでいきます。
方法④ 固執することをやめるには、他の選択肢を考える
選択肢があまりにも少ないと、いざという時に頼れる場所がないために、かえって少ない選択肢に頼ろうとします。その状態が固執する気持ちを助長させます。
固執することをやめるには、選択肢を増やすことが有効的です。選択肢が増えれば増えるほど、どれを選んでも正解の道だということを心の中で実感できるようになり、安心感が生まれます。
いざという時に安心する方法を知っていれば、もしこだわりたい気持ちが表れたとしても固執することを和らげることができます。普段から意識して多くの選択肢をつくるようにしておきましょう。
方法⑤ 固執することをやめるには、フットワークを軽くする
なかなか心の中で整理がつかないようでしたら、行動から始めることをおすすめします。行動が変われば次第に気持ちも変化していきます。
行動範囲を広げるよう努力して、なるべくたくさんの人と会うようにしましょう。様々な考えを持つ人がいることを肌身に感じる機会が増えれば、自分の主張はあくまでその中の一部分だということに気づくことができます。
自分以外にも素敵な意見を持っている人はたくさんいます。それぞれの良い部分を上手に取り入れられたら良いですね。そのために、フットワークを軽くして行動範囲を広げましょう。
「固執」と「執着」の違いは?
「固執」と似た言葉に「執着」というものがあります。
双方の単語を辞書で調べてみると、「固執」は上記のとおり「自分の意見などを固く主張して曲げないこと」あるいは「過去の印象や特定の行動などが心の中に残っていてそれが反復出現し、心と行動の自由度がなくなること」(広辞苑第六版)という意味です。
それに対し、「執着」は「強く心をひかれ、それにとらわれること。深く思い込んで忘れられないこと。」(広辞苑第六版)となっています。
この結果より、固執と執着はどちらも「こだわる」ことを表現している言葉ですが、こだわる対象が異なっていることに違いがあることがわかります。
注意深く比べてみると、固執は自分が持つ考えにこだわりを持ち、執着は自分以外の人や物へのこだわりがあるという違いがわかります。
固執と執着の違いの例をあげることにします。
たとえば、「サラリーマンなんでただの社畜にすぎない」という考え方をもっている人がいるとしましょう。
この意見は正解なのか?というと人によって違うはずです。実際問題として、このような考えをもつすべての人にとって、この意見、この選択肢が状況的にふさわしいのかどうかもわかりません。すべて、ケース・バイ・ケースです。
しかし、この考えを主張する本人にとっては、自分の思っていることが常に正義であり真実なのです。この人が自分の信じていることを、疑うことは全くありません。
これに対して、「執着」とはモノに魅了され、それにこだわることです。
たとえば、高級車に乗ったり、ブランド品を身につけたり、誰もがうらやましがる異性を連れて歩くことにこだわりを持っている人々などがこれに当てはまります。
あるいは趣味の世界で、周囲から「こんなものまで」と驚くほどのコレクションに励んでいる人です。骨董などの収集家の中に存在していそうなタイプです。
世間で「高級」なものとして通用しているものなら何でも惹きつけられる人であれ、特別な世界でしか通用しないガラクタのような代物に惹きつけられる人であれ、彼ら彼女らがそれぞれの対象に執着していることは間違いありません。
どちらにも共通していえるのは、固執の対象となる考えであれ、執着の対象となっているモノであれ、パワーが強烈に強く、それに魅入られた人々を簡単には捕らえて離さない力があるということです。
固執する人の性格や理由は?何かに固執しない人になるには?のまとめ
固執する人は、真面目で注意深く心配症な性格です。こだわっている本人は心の中で様々な葛藤を抱えています。しかし周囲の人たちも同様に、気楽な関係性を築くことができないため気苦労が多いです。
相手と良い関係を築きたいなら、固執することはなるべく早く手放していきましょう。自分が安心できる状況をつくっておくことが肝心です。何についてこだわってしまうのか、自分自身のことをよく理解してあげましょう。