一人暮らしの住まいといえば、アパートやマンションなどの集合住宅に住んでいる人がほとんどでしょう。
集合住宅で気をつけたいことのひとつが「音」です。
そこで今回は一人暮らしの防音対策についてまとめました。
今まで生活していた環境によっては、騒音トラブルといわれてもピンとこない人もいるかもしれませんが、ご近所さんに迷惑をかけないためにしっかりと防音対策をしましょう。
一人暮らしで防音対策が大事なワケ
一軒家の実家暮らしから一人暮らしを始めた人などは、今まで騒音トラブルとは無縁だったかもしれません。
しかし、ご近所トラブルで1番に挙げられるほど悩まされる人が多いのが「騒音」。
自分がご近所さんの騒音に悩まないためだけでなく、隣人に迷惑をかけないためにも防音対策は重要なんです。
なかには仕事や学校などの関係で、夜に洗濯や掃除などの家事をこなすことが多い人もいますよね。
もちろん、できるだけ時間を気にして行動することも大切ですが、防音対策も忘れずしっかりと行いましょう。
また、後ほど紹介するように、防音性が高い部屋は壁の密度が高かったり窓の構造がしっかりしているので、保温性にも優れていて一石二鳥です。
一人暮らしの防音対策【部屋探し編】
まずは、防音対策で部屋探しの時点でチェックしたいポイントについて紹介します。
部屋自体の防音性が高ければ、隣人の生活音に悩まされることや、自分が出す生活音を気にすること無くのびのびと一人暮らしができますね。
入居してから後悔しないよう、物件情報の確認や内見を怠らないようにしましょう。
「鉄筋コンクリート造」か「鉄骨鉄筋コンクリート造」の物件を選ぼう
アパートやマンションでよくある建築構造のうち、防音性を重視するなら「鉄筋コンクリート造」か「鉄骨鉄筋コンクリート造」がおすすめ。
鉄筋コンクリート造は、コンクリートに鉄筋が埋め込まれている構造で、壁の密度が高いため、防音性も高くなります。
鉄骨鉄筋コンクリート造は、頑丈な鉄骨の周りを鉄筋とコンクリートでさらに補強した構造で、主に高層マンションで用いられています。
鉄筋コンクリート造と鉄骨鉄筋コンクリート造の違いとしては、鉄骨鉄筋コンクリート造の方が耐久性が勝るのみで防音性に差はありません。
壁の厚さも要チェック
防音のため、壁は最低でも150mmの厚みがあることが望ましいです。
一般的な成人の声量を遮るには、コンクリートで150~180mmの厚みの壁が必要と言われています。
物件探しの際には、壁の厚さについても資料をしっかりとチェックしておきましょう。
窓は二重サッシで
二重サッシとは二重構造の窓のことです。
窓ガラスは壁よりも薄いので、壁よりも外の音が入ってきたり自分が出す音が外に漏れやすいんです。
なので、防音のために窓は二重サッシを選びましょう。
二重サッシは防音性はもちろん、断熱の効果があったり、結露を防止してくれるだけではなく、防犯にもなるなどいいことずくめなのでおすすめですよ。
隣接する部屋の間取りもポイント
騒音は隣の部屋との境界の壁から伝わってきます。
そこで、自分の部屋と隣の部屋の間にクローゼットがあったり、
キッチンやトイレ、浴室などのような水回り同士が隣接する間取りを選べば、
生活する部屋同士が壁1枚で隣り合うことがなく防音になりますよ。
最初から隣接する部屋の間取りまで気にして物件探しをするのではなく、気に入った物件を見つけたら隣接する部屋の間取りについても担当者に問い合わせてみましょう。
角部屋が防音に関してはベスト
ここまで防音性に優れた部屋を選ぶためのポイントについて紹介しましたが、やはり防音性に関して1番良い部屋は角部屋です。
隣り合う部屋の数や面積が少ない分、音は気になりません。
しかし、他の部屋より家賃が高めだったり、冬は寒く夏は暑いという特徴もあるので注意してじっくり検討してくださいね。
一人暮らしの防音対策【入居後編】
次は、入居後に自分でできる家具家電の配置や防音グッズを使った防音対策を紹介します。
物件情報や内見だけではわからない、実際に住んでみたら意外と音が気になる…というパターンは十分にあり得ます。
しかし、違う物件に引っ越さないでも自分でできる防音対策で、音が気にならず快適に過ごせるようになりますよ。
床は防音マット+カーペットのダブル使い
床にはカーペットだけではなく、防音マットとカーペットのダブル使いがおすすめ。
防音マットの上にカーペットを敷いて二重で対策することで、階下の住人だけでなく、隣の部屋の住人にも伝わりやすい床からの騒音をしっかりと防ぎましょう。
敷くだけで防音対策ができるので楽ちんですね。
壁には吸音シートを
テレビや友人との話し声など、自分が出す音がお隣さんに漏れないようにするためには、壁に吸音シートを。
しっかり防音したい人は壁全体に貼り付けるのも良いですが、壁全体ではなく、テレビやオーディオ機器の近くなど部分的に貼っても効果的です。
吸音シートは壁に貼り付ける手間がかかるため、手を出しづらいグッズかもしれませんが、高い防音効果が期待できますよ。
また、吸音シートを貼り付ける際は退去時のことも考え、壁に傷がつかず元通りにできるかどうか確認してくださいね。
ドアの開閉音には消音テープ
一つの部屋にも玄関やリビング、トイレなど複数のドアがありますよね。
そのドアを勢いよく閉めたときの「バタン」という大きな音は、自分では気にならないかもしれませんが、ご近所さんにとっては意外と騒音になるもの。
音に気をつけて優しく閉めるのはもちろんですが、ひとつひとつドアを確認して大きな音が出やすいドアにはドア用の消音テープを貼って対策をしましょう。
窓際は防音カーテン+隙間テープで対策
カーテンは防音カーテン、窓枠には隙間テープで徹底的に防音対策をしましょう。
カーテンはきちんとサイズの合った窓全体を覆う大きさで、音を通しにくい素材や織り方で作られた厚手の防音カーテンを選んでください。
そして隙間テープで窓のサッシ周辺の隙間を塞げば防音対策バッチリです。
窓の外からの音を遮断するだけで無く、自分の部屋からの音も漏れないようにすることでプライバシーを守りましょう。
大型の家具は壁際に置いて二重の壁に
専用の防音グッズを使用するばかりでなく、自分がもっている家具の配置を工夫することで防音対策ができちゃいます。
本棚やシェルフなどの大きな家具は隣接する部屋とを隔てる壁際に設置すれば、二重の壁の役割を果たしてくれますよ。
入居してみたら思っていたよりも壁が薄かったり、お隣さんの生活音が気になる…など、悩んでいる人はひとまずこの方法を試してみるのが良いかもしれませんね。
テレビは壁から離して
テレビやオーディオ機器は、できるだけ壁から離れた場所に設置して、お隣さんに壁を伝って音が漏れないように対策をしましょう。
しかし、コンセントの位置の関係でどうしても壁際に置かなくてはならない場合もありますよね。
そんなときは、少しでもテレビやオーディオ機器と壁の間隔を離して隙間を作り、壁に密着させないようにしましょう。
まとめ:一人暮らしの防音対策でご近所トラブルを回避
今回は一人暮らしの防音対策を、部屋探しと入居後に分けて紹介しました。
騒音がトラブルの原因になることは珍しくありません。
自分のためにも、ご近所さんのためにも、防音対策をするのは当たり前です。
せっかくの一人暮らし!
簡単に気をつけられることもあることがわかったと思うので、防音対策をしっかりとして、のびのび快適に過ごしてくださいね。