「食傷気味」という言葉は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
でも、よくよく考えると、思っている意味と「傷」の字がうまくつながらなかったりしませんか。
それに、「食傷」と「食傷気味」はどう違うのでしょう。
気になりだすと夜も眠れない……ほどではないですが、ちょっと気になりますよね。
そこで、以下では、「食傷気味」の意味や用法・使い方について深掘りしていきましょう!
「食傷気味」の意味と読み方
「食傷気味」の意味について解説していきます。
「食傷気味」は「食傷」と「気味」を合わせた複合語です。
また読み方ですが、「しょくしょうぎみ」と読みます。
食傷気味の意味は、
- 同じものを食べ続けて食べ飽きること。
- 同じものを見聞きしすぎてうんざりすること。
それでは「食傷気味」の意味を一文字ずつ見ていきましょう。
「食」は「食べる」ことを意味ます。
「傷」は「(食べ物などが)いたむ」意味と、「体や物をそこなう」意味があります。
「食傷」には、大きく3つの意味があります。
- 「食あたり」「食中毒」(これが文字通りの意味)
- 「食べ物に食べ飽きること」
- 2を比喩的に使って「物事に飽きること」「物事が多すぎて嫌になること」
「気味」は「〇〇の傾向にある感じ」を意味します。
例)風邪の傾向にある感じを「風邪気味」と表現する。
「気味」はもともと「においと味」の意味ですが、そこから「おもむき」「けはい」「様子」「傾向」を意味するようになっています。
なので「食傷気味」は、「食傷」の「傾向にある」となります。
「食傷気味」の由来
意味の項で説明したように、「食傷」は、もともとは「食あたり」「食中毒」の意味です。
「食」によって人の体が「傷む(いたむ)」訳ですね。
では、「食傷気味」は「食あたり気味」という意味で使うのでしょうか?
「食傷気味」の使い方
次に「食傷気味」の使い方について解説します。
一般的には「食傷気味」と言った場合には、「食あたり」「食中毒」の意味ではあまり使わないでしょう。
どちらかといえば「食べ物にちょっと飽きてきた」という意味になりますが、その比喩的な表現である「物事にちょっと飽きてきた」という意味で使うことがほとんどだと思います。
使い方としては、食べ物に限らず、見聞きすることに対しても「食傷気味」という言葉は使うことができます。
また、一般的に「気味」は「傾向」を意味しますので、「気味」を付けたほうがニュアンスの程度が軽くなることに注意しましょう。
「太ってる」よりも「太り気味」のほうがまだ痩せています。
「寂れた商店街」より「寂れ気味の商店街」のほうがやや活気がありそうです。
「食傷気味」も「まったく見るのも嫌」という程ではなく「どちらかといえば別のものが食べたい」程度にニュアンスが軽いですね。
「食傷気味」の類義語・同義語
「食傷する」「食傷気味」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、まず「食傷」の類義語・同義語の例をあげてみましょう。
「食傷」の類義語
- 倦厭(けんえん)
- 飽きる
- 飽き飽き
- うんざり
- 厭(いとう)
- 嫌気がさす(いやけがさす)
- 厭気
「倦厭(けんえん)」は飽きて嫌になることです。
「厭う(いとう)」は嫌うことですが、なんとなく身を引いてそれを避けることを言います。
「嫌気がさす(いやけがさす)」これは「厭気」とも書きます。
また、「気味」の類義語としては、
- 「~勝ち」「~し勝ち」
- 「~のきらいがある」「~するきらいがある」
- 「~の気(け)がある」
などがあります。
「食傷気味」の対義語・反対語
「食傷する」「食傷気味」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
「食傷気味」の対義語・反対語
- 「飽きない」
- 「飽きが来ない」
- 「夢中」
- 「無我夢中」
- 「新鮮」
- 「新味がある」
- 「目新しい」
- 「フレッシュ」
- 「知れば知るほど深い」
- 「やればやるほど興味が沸く」
- 「汲めども尽きない魅力がある」
- 「倦(う)むことなく」
- 「噛めば噛むほど味が出る」
などが、「食傷」とは対照的な状態をしめす表現として使えます。
「食傷気味」を使った例文
「食傷気味」はどのように使うのでしょうか。
以下に例文を挙げてみました。
まとめ
以上、「食傷気味」「食傷する」の意味や用法について深掘りしてみました。
「食傷」以外の類語や、言い換え表現なども、うまく使い分けて、表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。