燃え尽き症候群というのは、何かを一生懸命頑張ってきたのに、ある日突然まるで燃え尽きてしまったかのように、やる気を失ってしまうような症状です。
燃え尽き症候群になりやすい人とはどんな人なのでしょうか?今回は燃え尽き症候群の症状・治療・回復について、燃え尽き症候群を克服・治すにはどうしたいいのかをご紹介します。
燃え尽き症候群の症状と特徴
症状① 朝起きるのが辛くなる
燃え尽き症候群というのは、心が燃え尽きてしまうような状態になり、「頑張らなければ」と思いはするのですが、それを行動に移す気力が足りなくなってしまいます。そのため、休日は朝普通に起きられるのに、学校や仕事に行かなければならない日に限って朝起きるのが辛くなるという特徴があります。
心が燃え尽きてしまった状態というのは、エネルギーを使い果たしてしまった状態です。それがチャージできないと、身体がまるで空っぽになったように感じてしまい、勉強や仕事も手につかなくなるのです。
そのため、学校や職場にも行く気力がでない、その前に起きる気力がないほど体が重くなるといいます。そのうち「今日も起きれなかった」という罪悪感から自分に自信を無くし、さらにやる気が出ないという悪循環に陥ることもあります。
症状② お酒やたばこの量が増える
これまで何かに一生懸命取り組んできたのに、突然その気持ちがなくなってしまうことで、自分を責めてしまう人が多くいます。そのことでストレスを感じ、お酒やたばこに逃げてしまうことがよくあるのです。
お酒やたばこはちょっと嗜むぐらいでしたら、心地よいと感じリラックス効果も得られるのですが、量が増えすぎてしまうと体には毒になってしまいます。特にお酒を飲んで酔っ払っているときは、記憶がなくなったりして現実逃避できるかもしれませんが、酔いがさめたときに、また自分を責めてしまい、さらにお酒を飲んでしまう。
この繰り返しで、アルコール依存症になってしまうこともあります。このように逃避のために何かに依存する傾向がある人は体を壊してしまう危険性があるので要注意です。
症状③ イライラすることが多くなる
いつもなら気にならないような些細なことに対してイライラしてしまったり、自分の感情を抑えられずにぶつけてしまうようなことが増えていませんか?これも燃え尽き症候群の特徴の一つで、燃え尽き症候群になりかけている予備軍の人にもよく見られます。
燃え尽き症候群を発症する前の段階は、とても大きなストレスを受けている状態で、その中で必死に頑張ろうともがいています。そのため、少しでも心のバランスが取れなくなると、感情のコントロールが上手くできなくなるのです。
症状④ 何に対してもやる気が起きなくなる
燃え尽き症候群の特徴として、前はとても好きだったこと、興味があったこと、楽しめていたことに対してやる気が起きなくなったり、楽しめなくなったりするということがあります。
それまでは夢中になっていた趣味があったり、勉強や仕事に対しても一生懸命取り組めていたのに、急に無関心になったり興味を感じなくなった、やりたくなくなったということは、自分の生活に満足できていないとか、心に余裕がなくなっていることが原因ではないでしょうか。
もしこのような状態で「最近、何に対してもやる気が起きないな」と感じる場合は、燃え尽き症候群の可能性があります。
症状⑤ 人に対してよそよそしくなる
燃え尽き症候群になっている人は、それまで普通に築けていた人間関係においても変化が表れてきます。人と一緒にいることが苦痛ではなかったのに、最近友達や家族をも避けて一人で過ごすことが多くなっていませんか?
また他人に対して批判的な考え方をしたり、敵意を感じたり攻撃的になったりすることもあります。それまでよく一緒に行動していた友達と、故意に離れようとすることが増えた、人に対してよそよそしい態度で接したり、まるで物のように冷淡な態度を取ってしまったりするのも、燃え尽き症候群の特徴や兆候の一つだと言われています。
他人と接して話したり交流したりすることは、思っている以上にかなりのエネルギーを使っています。。燃え尽き症候群の人は、なるべく人から離れてエネルギーを使わないようにしようとするのです。
症状⑥ 引きこもりがちになる
燃え尽き症候群というのは、心のエネルギーが燃え尽きて枯れたような状態になってしまうことです。よって、人と接するのも、仕事に行くのも、身の回りのことをやるエネルギーがわいてこない、何もする気になれないような重い気持ちになってしまいます。
そのため、どうしても引きこもりがちになってしまう人が多いです。目的意識が持てないので、仕事や勉強などを頑張っても無意味に感じられてしまい、何をやっても達成感や充実感が感じられなくなってしまうのです。
そうすると、むりやり行動を起こしたとしても、効率も悪いし理想的な結果が得られないので、さらにやる気が出ないという悪循環に陥っていくことがよくあります。
燃え尽き症候群になりやすい人や原因は?
原因① 頑張りやさん
燃え尽き症候群になりやすい人は頑張りやさんが多いです。何をするにも一生懸命なのはとても良いことなのですが、エネルギーを使いすぎて周りが見えなくなるぐらい熱中したり、むきになって取り組んでしまうような人は要注意です。
その対象が勉強や仕事である場合、順調に進んでいるときは気持ちも充実していて良い結果を出すことが多いのです。しかし、受験が終わったとか、プロジェクトが終了した途端に、エネルギーを使い果たし、身も心も空っぽになったときに一気にやる気を失うことがあるのです。
マラソンを走っていると想定してみましょう。スタートからゴールまでずっと全力で走ることは難しいですよね。もしそんなことをしてしまったら、ゴールに到着した後しばらく何もできないぐらい疲れ果ててしまいます。力の入れどころや抜きどころをうまく見極めるのが大事なのです。
原因② 完璧主義
燃え尽き症候群になりやすい人は、完璧主義の人が多いです。学生だったら、勉強に関してどの教科もまんべんなくいい点数を取ろうと自分にプレッシャーをかけすぎる人。仕事をしている人だったら、一つのミスも許さないような人。そういう人は注意が必要です。
人間誰でも失敗をしますし、いつも100点満点を取ることは不可能なのです。しかし、自分に対して厳しすぎる人は、少しの失敗も許すことができません。そのため、ミスをしてしまった時が怖いのです。
そのミスをどのように補うかという考えよりも、ミスをしてしまったこと自体に大きく傷つき悩み、立ち直れなくなってしまいます。そのため、改善策を考える余裕もなく、気力を失い燃え尽きたような状態になることがあるのです。
原因③ 責任感が強すぎる
与えられた任務は責任もって最後までやり遂げなければならない、というのは大切な考え方なのですが、それが強すぎる人も燃え尽き症候群になりやすいです。
人間誰でも得意不得意がありますし、一人ではうまく進められないことだってたくさんあります。そんなときに、周りの人に頼ったり、アドバイスを求めることは決して無責任なことではありません。
「自分の仕事だから、自分一人でやらなければ」という固い考え方しかできない人は、人に頼ることを怠けていると思い込んでいることが多いです。そのため、ちょっとした壁にぶつかったりすると大きく挫折をしたり、「自分が劣っているからだ」とさらに自分を責めてしまうことがあります。
原因④ 他人と比較する
小さい頃から他人と比較され評価されたり批判されたりして育ってきた人は、自分でも知らないうちに他人と比較するような思考が身についていることが多いです。そういう人は燃え尽き症候群になりやすい傾向があります。
他人より優れていると感じられる部分があれば、安心を得られることがあるでしょうが、他人より劣っている部分、足りない部分ばかりに目がいってしまうと、自分にどんどん自信が持てなくなり、いつも暗い気持ちになってしまいます。
そのため、自分がやりたいことや進みたい方向が見えなくなり、常に他人の目や考え方を意識するようになります。そうすると、どうしても自分の中からやる気などにつながるエネルギーがわいてこなくなるのです。
燃え尽き症候群を治療・回復する方法
方法① 自分なりのストレス解消法を見つける
燃え尽き症候群に大きく関係するのがやはりストレスです。ストレスは心身のバランスを崩します。そして特に精神的なエネルギー消耗が大きければ、燃え尽き症候群になる可能性が非常に大きくなります。
どんな人でもストレスは溜めないに越したことはありません。しかし、人間がストレスを抱えてしまうことは当たり前なので、それをうまく解消する方法を身に着けましょう。そのためには、日常と少し違って心が楽しいと感じられるようなことを取り入れるのが良いでしょう。
それほどお金や時間をかけなくても、本を読む、映画を見る、散歩をする、写真を撮るなど簡単な趣味でも十分ストレスを解消することができます。ちょっとでも「楽しいな」と思えることを積極的に見つけてください。
方法② 十分に休息をとる
十分な休息、特に質の良い睡眠はストレスを軽減するのに大きく役立ちます。質の良い睡眠をとるには、長い時間寝るのではなく、しっかりと熟睡できるかどうかがポイントとなります。
熟睡するためには、バランスの取れた食生活を心がけたり、寝る前にパソコンやスマホを見ない、アロマや音楽も取り入れてリラックスする、夜はシャワーよりも湯船に浸かるなど、生活習慣を見直すことが重要です。
これらのことは、ストレス軽減を始め心身の健康に大きな影響を及ぼしますので、生活のリズムが崩れているなと感じている人は、ぜひ改善するよう意識してみてください。
方法③ 高い理想を持たない
燃え尽き症候群になりやすい人は、精神的な原因からくることが多いです。例えば、子どもさんや自分に対していつも「頑張れ、頑張れ」と言い続けていないでしょうか?あまり過度な要求や期待をしてしまうと、それに応えようとして心と体のバランスが崩れてしまうことがあります。
高い理想を持って良い結果を目指すことも大事ですが、それによって心を苦しめているようでしたら改善する必要があります。結果よりも過程を評価する、小さな目標を立ててハードルを下げる、完璧を目指さないということを心がけてみてください。
小さなことでも努力したことを感じられたり、達成感を感じられると、自分に自信が出てきます。自分もやればできるんだという、小さな達成感をたくさん感じることが大切なのではないでしょうか。
燃え尽き症候群と「うつ病」の違い
燃え尽き症候群とうつ病は似ている部分もあります。心のエネルギーが枯れたような状態で、何事に対してもやる気が出ないとか、身体が疲れを感じていて風邪を引きやすかったりするような状態は、共通する部分だといえるでしょう。
一方、燃え尽き症候群になりやすい人は責任感や使命感が非常に強く、エネルギーの消耗にも気づかないぐらい物事に熱中したり打ち込んでしまうような人が多いです。うつ病になりやすい人は、とても几帳面で感受性が強いために打たれ弱いという特徴がよく見られます。
また、燃え尽き症候群は何かを一生懸命やって最後までやり切った後に発症することが多く見られます。うつ病は、何かを一生懸命やるエネルギーさえわいてこない、自殺したいと考えることがあります。
燃え尽き症候群はカウンセリングを受けたり、しっかりと休息を取ることで回復できることが多いのですが、うつ病は脳内物質の分泌に関係するので、専門家の診察を受けて薬の服用とカウンセリングによる治療が必要です。
燃え尽き症候群とは?燃え尽き症候群の症状・特徴や治療・回復法!のまとめ
燃え尽き症候群の症状・特徴や治療・回復するための方法などについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。「ひょっとしたら燃え尽き症候群かもしれない」という心当たりがある人は、当てはまる症状をチェックし、回復方法をぜひ試してみてくださいね。
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